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雑誌掲載記事のご紹介
「財界さっぽろ2月号」


今期限りで引退
公明党参院議員・風間昶が
語った"3期12年"

 公明党参院議員の風間昶氏が、党の定年規定にしたがって今期限りで引退することになった。とはいえ、まだ62歳という働き盛り。それだけに風間氏の引退を惜しむ声は少なくない。その風間氏に"3期18年"を語ってもらった。

初陣は7人の子だくさんで話題に
  
 風間昶氏は、1992年に北海道選挙区から参院選に挑み、初当選している。
 札医大出身の医師からの政界転身であったこと、さらに自民党2、社会党2で議席を分け合ってきた北海道選挙区に、公明党が割り込んだ形となったことで、大きな話題を呼んだものだ。
 その後、定数が4から2に減ったため、98年の2選目からは、北海道・東北ブロックの重点候補として比例代表に回り、3期目。
 この間、環境副大臣などを経て、現在は党の参院国対委員長を務めている。

今期限りで引退ということですが、まずは3期18年をふり返っての率直な感想から

風間 医師として19年。この世界に入って17年半。あと半年で3期18年になりますから、ほぼフィフティフィフティの人生です。
 医療という限定された仕事から、生活万般にかかわる仕事にかわって、北海道と中央を結ぶ上で、いろいろな橋渡しの一翼を担うことができましたが、自分1人では絶対にやれないことばかりでした。
 いろんな政策を打ちだすときに、結果的には1番上になっている議員の名前が出ますが、政治の世界では秘書さんにしても行政機関の方々にしても、表に出ない人たちの人脈や力がどれだけ大きいものかということをつくづく感じました。
 そういう意味で、私は非常に恵まれた17年半でしたね。

最初の選挙のときに最終日のススキノフィーバーで、7人のお子さんを選挙カーに乗せ、子だくさんということで大きな話題になりました。

風間 みなさん方のアイデアでしたが、自分が学生時代に応援した選挙ではそのようなことは全くなかったので、なにもかにも新しいやり方だったんでしょうね。まあ勉強にもなったし、正直、ここまでやるかとも思いました。(笑い)
 あの選挙の最初の頃は、マスコミの方から「次の衆院選に出るんですね」と何回か聞かれました。参院選はそのための布石と受け取られていた。ところが公示直前ぐらいからテレビ局や新聞社の車が後ろからずっとつくようになって、びっくりしましたね。
 公明党としては12年ぶりに候補を出すというので、非常に燃えた選挙だったし、爆発力が出た選挙でした。


富士山の雪渓だと思ったものが…


1期目は野党でしたが、2期目は与党になり、2001年には環境副大臣に就任しましたが、政治家として特に力を入れてきたことは。

風間 もともと私は医師時代に、へき地医療、過疎地域の医療の状況をなんとか変えたいという思いから、仲間や先輩たちと全道を回って、無医村診療のような形でボランティアをやっていました。そういうこともあって、とにかく地域の人たちが健康で暮らせるためにはどうしたらいいかという思いがあった。
 それから大学時代、フロンガスの研究をやっていたので、将来的には地球環境が厳しくなると思っていて、環境問題にはもともと関心がありました。
 ですから医療と環境と、もう1つは北海道は観光が大事だということで、この3本柱でやってきました。

環境副大臣として特に印象に残っていることは。

風間 1つはゴミの問題があって、富士山に登ったんです。富士山はこんなに素晴らしい日本の宝なのに、どうして世界自然遺産にならないのかと。
 それで、家内と2人の息子と秘書さんと、それから環境庁の秘書官の方と一緒に登ったんです。
 バスで5合目までいって、5合目から上がっていくんですが、8月の末にもかかわらず、真っ白な雪がある。
 ところが、雪だと思っていたら、実は雪ではなくトイレットペーパーの山なんです。あそこは温度が低いので風化しない。しかもトイレットペーパーがわりに使っているティッシュペーパーは全く溶けないんです。
 ずっと雪渓のように何合目も何合目もティッシュペーパーの山なんです。ゴミの山を1年たったあとブルで降ろすんですが、500以上の袋が何十回も出るほどだというんですね。
 これは富士山だけではないだろうと思い、全国の国立公園内の山岳トイレをバイオトイレにしなければならないと考えました。その予算をつけて皆さんのお力でやらせてもらったという思い出が残っています。


室蘭にPCB廃棄物処理施設を誘致


室蘭のPCB廃棄物処理施設の誘致にも力を入れましたね。

風間 これは私が環境副大臣のときに、北海道にPCBの処理施設を誘致することに関わりまして、2004年に北九州ができ、以後東京、名古屋、大阪と続き、08年に室蘭に北海道PCB廃棄物処理施設が認可されました。
 事業主体は、旧環境事業団のPCB廃棄物処理事業を継承して、04年に100%政府出資で設立されたJESCO(日本環境安全事業株式会社)です。
 これは北海道だけでなく、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野の、北海道・東北・北関東・甲信越・北陸1道15県のPCB廃棄物の処理を行うもので、処理能力はPCB分解量にして1日1・8。全国最大の規模です。

先頃、PCBの漏えい事故が報道されましたが。
風間 北海道の施設は処理能力も高いし、ほかの4事業所よりも進んだ施設なんですが、PCBを含む洗浄液の漏えい事故が発生したほか、軽微な事故も起きていることが報道されまして、私も行ってきたばかりです。
 システムエラーというよりヒューマンエラーというのがけっこう起きているんですね。それで、ちょっとこれは問題だなと。
 共産党さんは、非正規雇用があるかぎり事故は起きるという観点に立っているようですが、私は正規であろうが、非正規であろうが、職員のトレーニングをきちんとしなければならないと。 そして、問題が起きたときは、その対処についてもきちんと公開するべきであると指摘してきました。

 
たんかを切った「ミスター新幹線」

   
公明党は、北側一雄さん、冬柴鐵三さんと連続して国交大臣をやりました。そういうことも背景にあったのでしょうが、風間さんは「ミスター新幹線」と異名をとるほど、新幹線には力を注がれた。

風間 北海道新幹線は道民の暮らしにとって、公共交通の一翼を担うべき重要な役割をもっている。新幹線は日本の国土軸の柱ですと。その軸が本州で切れているのは問題で、当然札幌までくるべきだと、ずっといままでやってきました。
 北側さんが大臣になる前の幹事長時代から、とにかく海を渡って北海道に入れていただきたいと。大臣になってからも会うたびごとに新幹線の話しかしなかったんです。
 そんな中で、財源の問題があって、はじめから札幌、札幌とオウム返しに言うのは現実的でないということで、尺取り虫で、まず函館まで入れると。
 そのことが次へ行くステップになると。そういう方針転換をしてはどうかということになったんです。
 最後はこの案に自民党も乗って04年12月に政府与党合意で函館までの着工が決まったんです。

自民党の道連大会で風間さんが挨拶して「新幹線をやらない候補は、公明党として応援しない」とやったこともあった。

風間 そんなたんかを切ったこともありましたね。(笑い)さすがに会場はザワザワとなりました。
 起工式にはわざわざ北側大臣がこられた。現職大臣が起工式に出たことはあまりないと思います。
 このとき、上田文雄札幌市長にも声をかけさせていただいた。最終的には札幌なんだから、札幌市長が反対するとポシャってしまいますからね。自民党とすれば、市長選を戦ったばかりだったので、反発の声もあったし、いろいろ嫌みも言われたものです。
 北側大臣が、日中韓の観光大臣会議をやるということをおっしゃっていたので、第1回を北海道でやってほしいとお願いしまして、これも実現しました。あれがG8サミットの引き金にもなったと思います。
 冬柴大臣のときには、新千歳空港の国際旅客ターミナルの認可をいただきました。3月には運用開始できると思います。

政権交代で永田町、霞が関も様変わりでしょうね。

風間 役所の方というのは、政権党第1優先ですし、民主党さんからもブレーキがかかっているらしく、お会いできませんと。
 法案の説明にはきますが、こちらからの質問に対しては、なんのかんのと理由をつけて断られるのが実態ですね。政策提言を出したり、質問趣意書で回答を求める。あとは国会の表の論議をやるということで野党として何もできないわけではありません。


野党共闘の方は。

風間 国対ではいまでも定期的に自公でやっていますが、だんだんつかず離れずになってきていますね。
 最近は、民主党の参議院の国対委員長が、自民党に連絡する前にこっちに連絡するようになってきた案件もあるんです。
 理屈のつかない部分についてはだめですが、理屈のつくことについては握手することは拒否しないので相談して下さいと、エールを送っているんですが、あまりのめりこむわけにもいかない。(笑い)
 もう一方でいままで続いてきた自民党との連携もあるので、えらい難しい立場なんですよ。(笑い)
 
私も残り半年間、全力で頑張りますが、有権者の皆さまをはじめ多くの方々の支がえあって、今日までやってくることができました。
 本当に有り難いことでした。引退した後も、党勢の拡大と北海道経済の活性化に向けて力を尽くしていきたいと考えています。 

(構成 干場)



[おことわり]
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